長野県内における取り組み

佐久摂食口腔ネットワーク(SSK)について

超高齢社会の中、誤嚥性肺炎が増加しています。肺炎は「老人の友」と言われ、高齢者では肺炎の7割以上が誤嚥性肺炎です。そうした背景の中、私自身は佐久地域での摂食嚥下や口腔ケア連携の必要性を感じていました。また佐久地域ではSCCやSDNetなど多職種参加型のネットワークがあり、ネットワークを立ち上げる素地がありました。

SSKは佐久地域の口腔ケア・摂食機能療法を必要としている方に対して、口腔ケア・摂食機能療法に関わる多職種が知識・技術の習得と均一化することにより、それらの方がいつでもどこでも口腔ケア・摂食機能療法サービスを受けることができるように地域連携を図ることを目的としました。

活動内容

SSKの活動内容としては①研究会:2012/7/10第1回開催、その後2018年12月まで13回開催(他会との共催4回を含む)しました。②井戸端会議:2014/1/28第1回開催、その後2か月ごとに佐久歯科医師会館で開催しています。(偶数月第4火曜日19時~20時)その後18回開催(第9回~18回は摂食嚥下障害基礎シリーズ)しました。世話人会は研究会や井戸端会議時に不定期に開催しています。また運営費は佐久歯科医師会より年間5万円の補助を頂いています。

これからの課題と展望

佐久摂食口腔ネットワークの課題として

  1. 当初より参加者が少なくなっている
  2. 医師の参加が少なく、また世話人会で医師の参加がなくなった
  3. 一方で歯科衛生士の参加が多い
  4. 広報の問題
  5. まだまだ摂食嚥下障害・食支援、口腔ケアへの関心が低い
  6. 継続性の困難さ

などが挙げられます。

今後の展望として、「食に関する地域診断」が必要と考えます。摂食嚥下障害のある方だけの問題ではなく、口腔機能低下症の段階からの予防対策が必要であり、また食料品の調達や調理の問題、宅配お弁当の普及(食形態の工夫)があります。そしてこれらを進めるために医療関係者だけの地域連携だけでなく、地域住民や様々な業者との連携をとる必要があると考えています。