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信州口腔ケアネットワークの取り組み
口腔内の維持管理及び衛生状態の改善が生活の質及び健康寿命の増進に重要であるとの理解が広まり、口腔ケアへの関心は高まっています。口腔ケアは医療・介護スタッフだけではなく、一般市民が理解し実施する事が望ましいのですが、実際には介護施設、在宅、病院などの口腔ケア従事者方には孤立無援で苦労されている方が多いと聞きます。そこで、口腔ケアの普及および口腔ケアの担い手の育成を目的に『信州口腔ケアネットワーク』を立ち上げ、医療・介護従事者・一般市民に口腔ケアの情報および研修できる場を提供する活動を2017年より行っています。
活動内容
対象は長野県内で口腔ケアに携わる医療・介護従事者および一般市民とし、長野県を4地区に分け、各地区にある病院の歯科医師・歯科衛生士により、口腔ケアの研修会を各地区年1回計4回を3年間合計12回開催しました。2017年度からの3年間の研修会に合計321名の方が受講して下さいました。
長野県内の33施設が協力して信州口腔ケアネットワークで活動しています。
主催病院
中信地区
信州大学医学部附属病院(2017)
相澤病院 (2018)
あずみ総合病院 (2019)
南信地区
富士見高原病院(2017)
伊那中央病院(2018)
飯田市立病院(2019)
北信地区
長野市民病院(2017)
篠ノ井総合病院(2018)
北信病院(2019)
東信地区
丸子中央病院(2017)
上田医療センター(2018)
浅間総合病院(2019)
研修内容
研修会は講義だけでなく、実習を通して口腔ケアを学べるようにし、実習においては口腔ケアを初めて学ぶ方を対象とした『入門コース』と日頃口腔ケアに携われている方がさらに学ぶ『実践コース』の2つのコースを設けました。
また実習終了後、軽食をとりながら、講師受講者の情報交換や相談できる場を設けました。
2020年度はコロナ感染症の拡大防止の観点より、一般市民を対象とした研修会は行えませんでしたが、
『コロナ感染症と口腔ケア』について信州口腔ケアネットワーク会員である歯科医師・歯科衛生士の知識向上を目的としたZoom研修会を行いました。
研修会の様子
講義
歯科医師より、総論として、口腔ケアの重要性や全身と口腔ケアの関係等について講義を実施しました。
施設勤務の歯科衛生士による質疑応答の時間も設けました。
入門コース
- 口腔内の観察方法
- 口腔ケア用品の種類・選択方法
- 正しいブラッシング方法
- 歯間ブラシ・デンタルフロスの使用方法
- 義歯の取扱い方法
実践コース
ベッド上での除圧方法・ポジショニングの体験・脱感作・口腔内の観察の仕方について伝えました。
車いす上では、ポジショニングの確認、スポンジブラシの使用方法・保湿剤の使用法、回収方法について学びました。
ZOOM会議(2020年度)
2020年度はコロナ感染症の感染防止の観点から一般市民の方を対象とした研修会は開催できませんでしたが、新しい試みとしてZoom研修会を開催しました。
信州大学医学部附属病院呼吸器・感染症内科医師牛木敦人先生
◎『呼吸器ウイルス感染症とその対策』
信州大学医学部歯科口腔外科学講座 教授 栗田 浩先生
◎『COOVID-19における口腔ケアの有用性』
のご講演を頂きました。信州口腔ケアネットワーク会員の歯科医師・歯科衛生士が100名以上参加し学びました。